せっかく家でコーヒーを淹れるなら、スーパーでなんとなく買うより、焙煎したてのスペシャルな一杯を楽しみたくないですか?
盛岡は実は、全国区の名店や個性あふれる焙煎所がひしめく、隠れたコーヒー激戦区なんです。深煎りのどっしりした味わいが好きな人も、フルーティーな浅煎りに目がない人も、一度訪れたらお気に入りの豆が見つかるはず。
今回は、実際に足を運んで豆を買いたくなる、盛岡のコーヒー豆専門店を8つ厳選してご紹介します。お店選びに迷ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
王道の深煎りと、老舗の味。まずはここから試してほしい2軒
「やっぱりコーヒーは苦味とコクでしょ」という方に、まず自信を持っておすすめしたいのがこの2軒。どちらも地元の人に長年愛され続けている、盛岡の顔とも言えるお店です。
かわむら珈琲 本店
創業から50年以上。盛岡で「いつものコーヒー」と言えば、この店の名前を挙げる人も多い老舗です。お店の心臓部である大きな焙煎機からは、いつも香ばしい煙が上がっています。
看板商品の「かわむらブレンド」は、深煎りならではの力強い苦味と、後からじんわりくる甘みのバランスが絶妙。牛乳をたっぷり入れたカフェオレにしても、味が負けません。店主は「難しいことは抜きにして、毎日飲んでも飽きない味を目指した」と話します。実際、その言葉通り、朝食のお供にも、食後のほっと一息にも自然と手が伸びる、まさにデイリーユースの王様です。
初めての人でも「苦味は強めがいい」「酸味は控えめで」と伝えれば、好みに合わせて微調整してくれるのも老舗の安心感。盛岡駅ビル「フェザン」にも店舗があるので、旅行の帰り際にふらっと寄れるのも嬉しいポイントです。
- おすすめの豆:かわむらブレンド(深煎り)
- 豆の価格帯:100g 500円〜と手頃
- こんな人におすすめ:毎日のコーヒーを探している方、深煎りの安定した美味しさを求める方
- 商品情報:かわむら珈琲
可否屋 葡瑠満(ぷるまん)
「コーヒーを飲むために、この空間に行く」——そんな贅沢を味わわせてくれるのが、築100年を超える元旅館を改装した可否屋 葡瑠満です。店内に一歩足を踏み入れると、レトロなステンドグラスや重厚な木のカウンターが迎えてくれます。ここでは、一杯ずつサイフォンで丁寧に淹れられるコーヒーが名物。
そこで使われているのが、この店のためだけに焙煎された「ぷるまんブレンド」です。グラスに注がれる真っ黒な液体は、見るからにどっしりとした苦味を想像させますが、口に含むと驚くほどまろやか。煙たさや雑味が一切なく、深煎りなのにクリアな後味が広がります。「苦いだけのコーヒーはちょっと」という方にこそ、一度体験してほしい味です。
豆は店内で購入可能。観光で訪れた記念に、あるいは大切な人へのギフトにすれば、盛岡の歴史と文化を閉じ込めたような特別な一袋になるでしょう。
- おすすめの豆:ぷるまんブレンド(深煎り)
- 豆の価格帯:100g 700円前後
- こんな人におすすめ:深煎り好きだけど雑味のない上品さを求める方、観光の思い出に豆を買いたい方
スペシャルティの最先端へ。浅煎りの個性に驚く2軒
「コーヒーって、こんなにフルーティーなんだ!」と目からウロコが落ちる体験を求めるなら、次の2軒へ。世界的に評価される豆を扱う、まさに盛岡のコーヒーシーンの最先端です。
NAGASAWA COFFEE(ナガサワコーヒー)
盛岡でスペシャルティコーヒーの魅力を広めたパイオニアであり、今や全国にその名を知られる名店です。白を基調とした明るくスタイリッシュな店内には、国際的な品評会で入賞した豆や、生産者の顔が見える希少なマイクロロットのコーヒーがずらり。
ここの真骨頂は、なんと言っても浅煎りです。「エチオピア」と書かれた豆をドリップすれば、部屋中に広がるのはブルーベリーやジャスミンを思わせる甘やかな香り。口に含めば、もはや紅茶のような軽やかさで、コーヒーが苦手だった人さえ「これなら飲める」と驚くほどの透明感があります。
店主は「コーヒーは果実です。その品種や育った土地の個性を、焙煎でどう引き出すかが僕の仕事」と語ります。店内で試飲できることも多く、好みのフレーバーを相談すれば、ぴったりの一杯と豆を提案してくれますよ。ちょっと値は張りますが、週末のご褒美や、コーヒー好きへのギフトにすれば、間違いなく喜ばれます。
- おすすめの豆:エチオピア イルガチェフェ ナチュラル(浅煎り)
- 豆の価格帯:100g 900円〜
- こんな人におすすめ:浅煎りのフルーティーさを追求したい方、コーヒー好きへのギフトを探している方
- 商品情報:NAGASAWA COFFEE
焙煎工房 海と茶
「海」のようなスケールの大きさと、「茶」のような日常への溶け込みやすさ。その名の通り、暮らしに寄り添う一杯を提供してくれるお店です。住宅街の中にある小さな焙煎所ですが、ドアを開ければ、壁一面に並んだコーヒー豆の種類の多さに圧倒されます。
ここはNAGASAWA COFFEEとはまた違ったアプローチで、店主が惚れ込んだ生産者の豆を中心にセレクト。浅煎りから深煎りまで幅広いですが、特筆すべきは「中浅煎り」の絶妙さ。酸味の尖った部分をきれいに取り除き、豆本来の甘みと香りをふっくらと引き出すのが本当に上手なんです。
店主は気さくな方で、「家で淹れたら酸っぱくなっちゃうんです」と相談すると、豆の挽き具合やお湯の温度までアドバイスをくれます。この「対話して買える」距離感も、地元の専門店ならではの大きな魅力。カフェスペースで、まずは一杯試してみるのがおすすめです。
- おすすめの豆:グアテマラ アンティグア(中浅煎り)
- 豆の価格帯:100g 700円〜
- こんな人におすすめ:豆の種類をじっくり選びたい方、淹れ方のアドバイスもほしい方
盛岡ならではの体験を。ちょっとユニークな2軒
美味しいコーヒー豆が買えるだけでなく、そこに行くこと自体が特別な物語になる。そんな盛岡ならではの店を2つ紹介します。
蕎麦とコーヒー あお木
「今日のお昼はお蕎麦にしようか、それともコーヒーを飲みに行こうか…」そんな優柔不断な会話はここでは無用です。なぜなら、この店は昼は手打ち蕎麦屋、午後2時からはコーヒー専門店に姿を変える、全国的にも珍しい二刀流の店だから。
午後のコーヒータイムを仕切るのは、NAGASAWA COFFEEで修業したバリスタです。提供されるコーヒーはもちろんNAGASAWA COFFEEの豆を使用。つまり、盛岡を代表するスペシャルティコーヒーを、打ち立ての蕎麦を啜った後の、最高にリラックスした状態で味わえるんです。
もちろん豆の販売もしているので、「さっき飲んだあのコーヒー、家でも淹れたいな」という願いをその場で叶えられます。蕎麦粉の香りがかすかに残る店内で選ぶコーヒー豆は、不思議と優しい味に感じられます。盛岡の食文化をまるごと楽しみたい方に、これ以上の選択はありません。
- 豆の購入について:取り扱いはNAGASAWA COFFEEの豆が中心。詳しくは店頭で。
光原社
「ここはコーヒー豆屋さんですか?」と聞かれると、少し違います。盛岡の偉大な文化人・宮沢賢治が「注文の多い料理店」を出版したことで知られる、民藝と出版の複合施設です。その広大な日本庭園を眺めながら一服できる喫茶「可否館」が併設されているんですが、ここで出されるコーヒーがまた素晴らしい。
水出しアイスコーヒー用にじっくりと時間をかけて抽出された、深煎りのコーヒー豆を販売しています。苦味の中にカラメルのようなビタースイートな甘みがあり、夏場はもちろん、ロックでゆっくり味わうのも最高です。
観光で訪れた方には、賢治ゆかりの地で見つけた、センスの良い民藝品のような気持ちで、このコーヒー豆をお土産にしてほしい。パッケージもシンプルで美しく、盛岡の知的な土産物として喜ばれること請け合いです。
まずは一杯、試してみよう。テイクアウトもできる実力派
「専門店で豆を買ってみたいけど、まずは気軽にそのお店の味を試してみたい」という方におすすめなのが、下記の2軒です。街歩きの途中にふらっと立ち寄って、テイクアウトコーヒーを楽しめます。
椀子 −wakako−(盛岡市本町通)
盛岡城址公園のすぐ近く、落ち着いた雰囲気の小さなコーヒースタンドです。店主が一杯ずつ丁寧にハンドドリップするコーヒーは、浅煎りから深煎りまで数種類。テイクアウトカップを受け取る時にふわりと香る豊かなアロマに、街歩きの足取りも軽くなります。
使用している豆はそのまま購入可能。「今飲んで美味しかったものを、そのまま家でも」という売り方はとても分かりやすいですね。お城の散策のお供に、あるいはその後の自宅用に。観光と日常が地続きになるような、そんな身近さが魅力です。
ヒトト モリオカ(盛岡駅前)
カフェ激戦区の盛岡駅前で、地元のリモートワーカーや学生から絶大な支持を集めるお店です。広々とした店内は仕事や読書に没頭できる空間で、電源もWi-Fiも完備。ここで提供されるコーヒーは、全国の有名ロースターから厳選された、いわば「旅するコーヒー」。
「今日は東京の◯◯ロースターの豆です」「今週は福岡の☓☓から届きました」というように、常時4〜5種類のゲストコーヒーが楽しめます。気に入った豆はその場で購入できるので、盛岡にいながら日本各地のコーヒーが楽しめる、宝探しのようなワクワク感があります。駅からすぐなので、新幹線の待ち時間に立ち寄るのに最適。盛岡出張のビジネスマンにも強くおすすめしたい一軒です。
自宅で最高の一杯を。盛岡のコーヒー豆を買って帰ろう
さて、盛岡の個性豊かなコーヒー豆専門店、8軒をご紹介しました。
深煎りのどっしりとした味わいを日常に取り入れたいなら「かわむら珈琲」や「可否屋 葡瑠満」へ。
フルーティーで華やかな浅煎りの世界を冒険したくなったら「NAGASAWA COFFEE」と「焙煎工房 海と茶」のドアをノックしてください。
そして、ちょっと特別な体験を求めるなら、「蕎麦とコーヒー あお木」や「光原社」が待っています。
まずは一杯、試してみたいなら「椀子」や「ヒトト モリオカ」から始めるのもいいですね。
こうして見てみると、盛岡ほど多彩なコーヒーの選択肢が揃っている街も珍しいのではないでしょうか。
最後に、これだけは覚えておいてほしいポイントがあります。焙煎したてのコーヒー豆は生鮮食品です。購入したら、できるだけ2週間以内に飲み切るのが美味しさの秘訣。ぜひ、お気に入りの一杯を見つけて、あなたのコーヒータイムをワンランクアップさせてくださいね。
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