キッチンに置いてあるだけで、つい目が行ってしまう。
そんな存在感のある家電って、なかなかないですよね。
Smegのコーヒーメーカーは、まさにそういう魅力を持った一台です。50年代のレトロなフォルムと、思わず触れたくなるような美しいカラーリング。見ているだけでコーヒーがもっと好きになりそうな、あの佇まい。
でも、いざ買おうかなと思ったときに、誰もが一度は立ち止まる疑問があるんです。
「これって、見た目だけ?」
「エスプレッソマシンとしての味は本物なの?」
僕も正直、最初は半信半疑でした。だって、あんなにおしゃれだと、どうしても「デザイン家電」というフィルターを通して見てしまいますからね。
結論から言うと、この質問への答えは「どのモデルを選ぶかで、まったく違う」です。
Smekのコーヒーメーカーは、エントリーモデルと上位モデルで、性格が驚くほど異なる。ここを理解しないまま買うと、「思ってたのと違う」ということになりかねません。
今回は実際に両方を使い込んだユーザーの声や、専門家のレビューを徹底的に掘り下げて、あなたにぴったりの選び方をお伝えしていきます。
Smegのコーヒーメーカーには2つの世界がある
まず知っておいてほしいのが、Smegのエスプレッソマシンには明確に「2つの世代」が存在するということです。
ひとつは、比較的手の届きやすいエントリークラス。型番で言うと「ECF01」シリーズが代表的で、価格帯は3万円台から4万円台。多くの人が「Smegのコーヒーメーカー」と聞いてイメージするのは、たぶんこちらです。
そしてもうひとつが、2025年以降に登場したミル内蔵型の上位モデル「EGF03」シリーズ。こちらは価格が10万円前後と、一気に本格派の領域に足を踏み入れています。
この2つ、見た目はどちらも間違いなくSmegなんですが、中身は「別の生き物」と言っていいくらい違うんです。
エントリーモデル「ECF01」の実際のところ
まずは気になるエントリーモデルから、正直に話していきますね。
このマシンで最初に知っておくべきなのは、使われているポルタフィルター(粉をセットするあの取っ手の部分)のサイズが52mmで、しかも加圧式バスケットが標準装備だということです。
これ、どういうことかと言うと。
加圧式バスケットは、コーヒーの粉を入れる部分に小さな穴がひとつだけ開いていて、そこを通過するときに圧力をかけて無理やりクレマを作り出す仕組みなんです。だから、挽き目が多少粗くても、スーパーで買った古い豆でも、それっぽい見た目のエスプレッソが抽出できます。
でも、そのぶん、豆本来の繊細な味わいを引き出すのは正直むずかしい。
実際にこのマシンを1年間使ったユーザーのレビューを見ると、「浅煎りのスペシャルティコーヒーを入れようとすると、抽出に1分近くかかって苦くなってしまった」という声もあります。ラテアート用のきめ細かいミルクフォームを作るのも、スチームワンドの構造上かなりハードルが高い。
ここはもう、はっきり書いておきます。
本格的なエスプレッソの味を追求したい人、ラテアートの練習をしたい人は、このモデルでは正直満足できない可能性が高い。同じ価格帯なら、デロンギ デディカのほうがスチーム性能は明らかに上、というのが実際のユーザーの偽らざる感想です。
じゃあ、このマシンはダメなのかというと、そうじゃない。
「それでも、このデザインがいいんだ」という人にとっては、これ以上ない選択肢です。淹れられるコーヒーの味も、普通に美味しいですし、何よりキッチンに立つたびに気分が上がる。これはもう、理屈じゃない価値です。
つまり、ECF01は「デザインへの投資」と割り切れるかどうか。ここが購入の分かれ目になります。
上位モデル「EGF03」で起きていた静かな革命
さて、ここからが本題です。
「Smegは見た目だけ」という評価を根本から覆したのが、ミル内蔵型の「EGF03」シリーズです。
このマシン、スペックを見ただけで「あ、これは本気だな」とわかります。
ポルタフィルターはプロ仕様の58mm径。バスケットは非加圧式で、豆の挽き具合やタンピングの精度がちゃんと味に反映される。グラインダーはコニカル式のバリグラインダーを内蔵していて、豆の鮮度を保ったまま挽きたてを抽出できます。さらにデュアルサーモブロック搭載で、エスプレッソを抽出しながら同時にミルクスチーミングもできる。
これ、スペックだけ見ると、もはや業務用の入門機とほぼ同じなんです。
コーヒー専門メディアのレビューでも評価は上々で、「ビルドクオリティが非常に高く、内蔵グラインダーの性能も素晴らしい。これ一台で完璧なエスプレッソが作れる」と絶賛されています。同価格帯の競合と比べても、まったく引けを取らない実力を持っているとのこと。
ここで面白いのが、Smegがデザインを一切犠牲にしていない点です。あのアイコニックなフォルムはそのままに、中身だけを完全に別次元に引き上げてきた。これはもう、「デザインも性能も、どちらも譲れない」というわがままを、きちんと叶えてくれる一台だと言えます。
もちろん価格はそれなりにします。でも、「Smegが好きだけど、味にもこだわりたい」という人にとって、EGF03はついに現れた理想の選択肢です。
あなたはどっちを選ぶ?後悔しないための3つの質問
ここまでの話を踏まえて、最後に自分に問いかけてほしい質問が3つあります。
ひとつめ。
「キッチンに立つたび、その家電を見てテンションが上がることを、どれだけ大事に思いますか?」
Smegのコーヒーメーカーを選ぶということは、性能だけでは測れない「所有する喜び」にお金を払うということでもあります。それが自分にとって大きな意味を持つなら、エントリーモデルでも十分に満足できるはずです。
ふたつめ。
「あなたは家で、本格的なエスプレッソやラテアートに挑戦したいですか?」
もし答えがイエスなら、ECF01ではいずれ物足りなくなります。実際に「可愛さに惹かれて買ったけど、結局Brevilleのグラインダー一体型に買い替えた」というユーザーもいるくらいです。最初からEGF03を選ぶか、あるいは別のブランドを検討するのが賢明です。
みっつめ。
「予算と相談して、どこで折り合いをつけますか?」
ECF01はデザインに振り切ったマシン。EGF03は性能とデザインを高い次元で両立したマシン。そのあいだに、ちょうどいい中間モデルは今のところ存在しません。どちらかを選ぶ決断が、あなたには求められます。
Smegコーヒーメーカーを選ぶという幸福
結局のところ、Smegのコーヒーメーカーを選ぶというのは、ただの家電選びじゃないんですよね。
毎朝、寝ぼけまなこでキッチンに立ったとき、そこにあるだけで少し気分が上がる。休日の午後、ゆっくりとカプチーノを淹れながら、その時間自体を楽しめる。そういう「コーヒーをめぐる暮らし」を手に入れるかどうかの選択です。
エントリーモデルにはエントリーモデルの、上位モデルには上位モデルの正しい選び方がある。その違いをきちんと理解した上で選べば、あなたのコーヒーライフはきっと、今よりもっと豊かになるはずです。
見た目だけじゃない。でも、見た目も大事。
そんなわがままを、Smegのコーヒーメーカーはちゃんと受け止めてくれます。あとは、あなたがどちらに心を動かされるかです。
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