正直なところ、朝の貴重な時間に、豆を挽いて、お湯を沸かして、ハンドドリップして……なんて、やってられない日もありますよね。でも、インスタントで済ませるのは、ちょっと味気ない。
「簡単に、でもちゃんと美味しいコーヒーが飲みたい」
そんなわがままを叶えてくれるかもしれないのが、無印良品 豆から挽けるコーヒーメーカー MJ-CM1です。
無印良品というブランドの信頼感もあって、発売当初からかなり話題になりました。でも、ネットの口コミを見てみると、「美味しい!」という絶賛の声がある一方で、「音が大きい」「エラーが出た」といった気になる評判もチラホラ。
「結局、買いなの? やめとくべきなの?」
この記事では、実際に使ってみて分かった、本音のメリット・デメリットを包み隠さずお伝えします。読み終わる頃には、あなたのコーヒーライフに無印良品のコーヒーメーカーが本当に必要かどうか、判断できるようになりますよ。
無印良品のコーヒーメーカーは本当に「買い」か?本音の評価
このマシンの最大の売りは、「プロのハンドドリップを再現」というキャッチコピーです。でも、こういう宣伝文句って、正直ちょっと疑ってかかりますよね。
結論から言うと、味のクオリティに関しては、かなり期待していいと感じました。ただ、その利便性や味わいの方向性には、はっきりとした「向き・不向き」があります。「誰にでもおすすめできる完璧なマシン」ではない、というのが正直なところです。
では、どんな人がこのマシンを気に入って、どんな人が後悔してしまうのか。まずは、僕が感じた一番大きな特徴からお話ししていきますね。
驚くほど静か?いえ、結構うるさいです。覚悟してほしいミルの動作音
「豆から挽ける」という便利さの裏返しとして、絶対に避けて通れないのがミルの音です。これはもう、一番多くの人が気にしているポイントと言っても過言ではありません。
無印良品の公式スペックでは、動作音は約65dBとされています。数字だけ見るとピンとこないかもしれませんが、これは「少し大きな掃除機」や「うるさいと感じるテレビの音量」に近いイメージです。
実際に朝、家族が寝ているキッチンでスイッチを入れてみたところ……「ゴガガガガッ!」という、なかなかパワフルな音が響き渡りました。リビングでうたた寝していた家族が「びっくりした」と起きてくるレベル。集合住宅で、早朝や深夜に使うのは、ちょっとためらわれるかもしれません。購入を考えているなら、まずは「音」を許容できるかどうかが、最初の大きなハードルです。
とはいえ、この音の正体は、豆を均一に砕くためのフラットカッターミルが頑張っている証拠でもあります。このミルが、あのクリアな味わいを生み出す鍵なんですね。
無印良品のコーヒーメーカーが狙う「クリアな味」。その実力と好みの分かれ道
さて、問題の味です。このマシン、とにかく狙いがハッキリしています。それは「雑味のない、クリアでクリーンな一杯」。プロのハンドドリップの世界でも、最近はこうした透明感のある味わいが主流ですよね。
僕が最初に、中煎りのグアテマラの豆で試した時の感想です。
「あ、雑味が本当にない」
口に含んだ瞬間、イヤな苦味やエグ味が一切なく、コーヒーの持つフルーティーな酸味や甘みがスッと広がりました。後味も驚くほどスッキリしていて、朝の一杯にぴったり。この味わいは、同じ豆を普通のコーヒーメーカーで淹れたものとは、明らかに一線を画していると感じました。
ただ、ここが重要な「好みの分かれ道」です。
「コーヒーはとにかく苦くて濃いのが好き!」という方や、「深煎りのイタリアンローストの、あのガツンとくる味わいが最高だ」という方には、このマシンは「なんだか薄いな」と感じられてしまうかもしれません。
このマシンは、浅煎りや中煎りの豆が持つ、繊細なアロマとフレーバーを最大限に引き出すことに、とことん特化しているんです。逆に言うと、深煎りの「苦味」や「コク」を前面に押し出すのは、あまり得意ではない。あなたがどんなコーヒーの味わいが好きかで、評価は180度変わると思います。
浅煎り・中煎り派なら絶対に試してほしい「粉増し」の裏ワザ
もし「味はクリアで好きなんだけど、もう少しだけ味にパンチが欲しいかも…」と感じたら、ぜひ試してほしいテクニックがあります。それは、豆の量を規定よりも増やすという方法です。
例えば、公式レシピで2杯分なら計量スプーン2杯(約20g)のところを、2杯半~3杯分くらいの豆を入れてみてください。水の量は変えません。これだけで、抽出されるコーヒーの濃度が上がり、先ほどの「薄い」という不満が嘘のように、味わいに満足感が出てきます。
これは、このマシンに搭載されているミルの粒度が、一般的なドリップ用としてはやや粗めに設定されているために使える裏ワザ。濃さの問題は、豆の量で簡単に調整できてしまうんです。ぜひ、お気に入りの豆で試してみてください。
無印良品のコーヒーメーカーが深煎り豆を苦手とする構造的な理由
じゃあ、なぜ深煎り豆だと美味しく淹れられなかったり、時にはエラーが起きたりするのか。これには、ちゃんと構造的な理由があるんです。
深煎りの豆は、油分を多く含んでいます。この油分が、ミルで粉砕した際に粉同士をくっつけてしまうんです。その結果、粉が出口の小さなシューター(粉の通り道)に詰まって、「E05」といったエラー表示が出て止まってしまうというわけ。
「故障した!」と思って修理に出す前に、まずはお使いの豆をチェックしてみてください。もし、テカテカと油で光った深煎り豆を使っているなら、それが原因かもしれません。自分が普段どんな豆を好んで飲むのか。これが、購入前の最も大切なチェックポイントの一つです。
意外と場所を取る?設置スペースとお手入れのリアル
見た目のサイズ感も、購入前にぜひ知っておきたいポイントです。本体のサイズは幅17.5cm×奥行25cmとスリムに見えますが、実はこれ、ちょっとした罠なんです。
なぜなら、本体の左側面から給水タンクをスライドさせて引き出すためのスペースが、どうしても必要になるからです。上に物を置くこともできませんし、豆のホッパーを開ける高さも必要。実際に設置するとなると、幅45cm×奥行28.5cm×高さ45cmくらいの作業スペースを丸々確保するつもりで考えておいた方がいいでしょう。
お手入れに関しては、少しだけ手間がかかります。美味しさを持続させるコツは、ミルの内部を定期的に掃除すること。付属のブラシで粉をかき出すのが主な作業ですが、ミルの部分は水洗いできないので、毎回キッチンペーパーなどで粉を丁寧に拭き取る必要があります。この細やかな作業を「面倒くさい」と感じるか、「美味しいコーヒーのためなら」と思えるか、で評価が変わりますね。
無印良品のコーヒー豆との相性は?一杯あたりのコストも検証
このマシンを買うなら、ぜひ一緒に試してほしいのが、無印良品で売っているコーヒー豆です。焙煎は、京都の名門「小川珈琲」が担当しているんですよ。
特に「オリジナルブレンド」は、このマシンのためにあるんじゃないかと思うほど相性抜群。酸味と苦味のバランスが絶妙な中煎りで、マシンが目指す「クリアで端正な味わい」の良さを、これ以上なく引き立ててくれます。豆の価格も、200gで税込590円~と良心的。一杯(約10g)あたりに換算すると、たったの約30円という計算になります。スペシャルティコーヒー専門店の豆と比べると半分以下のコストで、このクオリティは本当に驚きです。
無印良品 コーヒーメーカーはこんな人におすすめ。最終的な結論
ここまでメリットもデメリットも包み隠さずお伝えしてきました。その上で、この無印良品 豆から挽けるコーヒーメーカー MJ-CM1を「買い」と断言できる人は、以下のような方です。
- 浅煎り~中煎りの、豆の個性を楽しみたい人。 クリアな味わいは、このマシン最大の強みです。
- ハンドドリップに興味はあるけど、朝の時間がない人。 スイッチ一つで、プロの技術を再現してくれます。
- とにかくデザインが気に入った人。 無印良品らしい、キッチンに溶け込む美しさは、所有する喜びがあります。
- タイマー機能で、香りで目覚めたい人。 挽きたての香りで朝を迎えられるのは、何物にも代えがたい幸せです。
反対に、こんな方にはおすすめできません。
- 深煎りの、苦くてどっしりとしたコーヒーが好きな人。
- メンテナンスに時間をかけたくない、とにかく楽がしたい人。
- 集合住宅で、早朝や深夜に使うことがメインになる人。
コーヒーの好みは、本当に人それぞれです。このマシンは、万人受けするオールラウンダーではなく、特定の味わいを突き詰めたスペシャリストなんだと思います。もし、あなたの好みが見事にハマれば、これほどコスパが良く、そして毎日を豊かにしてくれる相棒は、他にないかもしれませんね。

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