「もっといい一杯を淹れたい」
そう思って道具を探していると、必ずと言っていいほど目にする名前がありますよね。
そう、ザッセンハウスです。
ただ、いざ買おうとすると「なんかモデルが色々ある…」「電動のほうが楽じゃない?」「そもそも、なんでこんなに高いの?」なんて疑問が湧いてきませんか。
今日はそんなあなたの隣で、コーヒーを飲みながら話すような気持ちで、このミルの魅力と選び方を深掘りしていきます。
なぜ今、手挽きミル「ザッセンハウス」が選ばれるのか
「面倒くさくない?」
手挽きミルの話をすると、たいていこの言葉が返ってきます。
でも、ちょっと想像してみてください。
早朝、家族がまだ寝静まっている時間。
あなたがキッチンでミルのハンドルを回すと、聞こえてくるのは豆が砕ける「ジャリッ…ジャリッ…」という静かな音だけ。
スマホを触るでもなく、無心でハンドルを回すこの時間は、実はちょっとした瞑想だったりします。
ザッセンハウスが半世紀以上も支持されているのは、単に「ドイツ製で頑丈」だからではありません。
「壊れないこと」と「挽き味が段違いなこと」。
この2つが、コーヒーを嗜む人たちを惹きつけてやまない理由です。
ザッセンハウスの味わいを決める「二つの心臓」
では、なぜそんなに味が違うのか。
秘密は、ミルの心臓部である「刃」と「軸」にあります。
硬質鋳鉄製スチールカッターが生む、クリアな味わい
最近の電動ミルや手頃な手挽きミルには、セラミック製の刃が多く使われています。
セラミックは確かに錆びにくくて硬い。でも、豆を「挽く」というより、刃と刃の間で「すり潰す」動きに近いんです。
その点、ザッセンハウスの刃は重厚な硬質鋳鉄製。
豆を文字通り「カッターで砕く」ように破砕していきます。
これが何を意味するかというと、微粉(びふん)が圧倒的に少ない。
微粉はお湯に触れると一気に雑味や苦味を抽出してしまうので、これが少ないだけで、あなたのコーヒーは見違えるようにクリアで、豆本来の甘みを感じられる味になるんです。
ダブルアクスル機構が支える、驚異の粒度均一性
もう一つの心臓が、ダブルアクスル機構です。
これはシャフト(中心軸)を上下二点で支える構造のこと。
手挽きミルの宿命は、ハンドルを回す時に軸がブレて、刃の隙間が不均一になること。
「粗挽きにしたのに、細かい粉が混ざって苦くなっちゃった…」という経験はありませんか?
ザッセンハウスのこの機構は、そのブレを極限まで抑え込みます。
狙った粒度だけが、粒の大きさを揃えて出てくる。
これが、フレンチプレスやコールドブリューで「雑味のない、透明感のある味」を引き出せる最大の理由です。
ドイツ生まれの名門ザッセンハウスコーヒーミルおすすめ6選
「で、結局どれを選べばいいの?」
そう思いますよね。ここからは、現在手に入る現行モデルを中心に、あなたのライフスタイルに合う一台を探っていきましょう。
まずはこれ一台。末永く付き合うための2モデル
かつて「サンティアゴ」や「ブレッサ」といったモデルがありましたが、それらは生産が終了しています。
「ザッセンハウス サンティアゴ」で検索して中古を探す方も多いですが、現在のフラッグシップはこの2つだと覚えておいてください。
Zassenhaus Ostinato
こんなあなたに:
「せっかく買うなら本物の質感を楽しみたい。毎朝、道具と向き合う時間を大切にしている。」
こちらは旧サンティアゴの魂を受け継ぐ、現行のフラッグシップモデルです。
粉受けはガラス、本体はずっしりとした金属製で、手に取った時の「これでコーヒーを淹れるんだ」という高揚感は格別。一人から二人分を丁寧に淹れたい方に。
Zassenhaus Panama
こんなあなたに:
「一生モノの品質は欲しいけど、日常使いしやすく、軽さも大事。キャンプにも持っていきたい。」
こちらは、その名の通り現行のスタンダード。
オスティナートの心臓部である刃とダブルアクスル機構はそのままに、ホッパーと粉受けを樹脂製にすることで、驚くほど軽く、そして丈夫になりました。
「樹脂」と聞くとチープに感じるかもしれませんが、これは割れにくく、冬の静電気で粉が飛び散りにくいという、大きな実用メリットがあるんです。
知る人ぞ知る、愛好家が唸る希少モデル
Zassenhaus Quito
細身の円筒形ボディが美しいモデル。調整ネジが上部にある古典的なスタイルで、インテリアとしても絵になります。流通量が少ないので、見つけたら「出会い」だと思って手に取ってみてください。
手挽きの時間を、もっと豊かにするために
最後に、ザッセンハウスを何年も使っている僕から、ちょっとしたコツをお伝えしますね。
深煎り豆は「ゆっくり」がコツ
硬質鋳鉄の刃は破砕力が凄い分、深煎りの油分が多い豆だと、少し重たく感じることがあります。
そんな時は、急がず、ハンドルを一定のリズムで「ゆっくり」回してみてください。豆が踊らず、綺麗に砕けていきます。
無段階調整を楽しむ
ザッセンハウスの多くは、ネジをクルクル回して無段階で粒度を変えます。
「あれ?さっきの設定どこだっけ?」となりがちですが、ペンで印をつけておいたり、豆を変えるたびに「今日はこれで淹れてみよう」と気軽に試すのが上達の近道。
失敗さえも含めて、美味しいコーヒーへの旅だと楽しんでください。
電動ミルの「速さ」も、カプセルの「手軽さ」も魅力的です。
でも、自分で豆を挽く「時間」には、それらとは全く別の豊かさがあります。
無心でハンドルを回し、豆が砕ける香りに包まれる朝。
それは、あなたが自分と、そして誰かのためにコーヒーを淹れる、かけがえのない儀式になるはずです。
さあ、今日はどんな豆を、あなたのザッセンハウスで挽きますか?

コメント